高校数学ではかかせない数と式の計算問題 // Calculation problems of numbers and formulas that are indispensable in high school mathematics
入試も一段落し、あとは合格発表を待つのみ…。みなさんの希望が叶うことを願っています。そして新しい一歩を踏み出す高校1年生のみなさんへ。高校数学は、最初が肝心です。中学の復習をし、予習を少ししておくだけでもスタートはまったく違うものになるでしょう。どんな内容なのかを知り、時間のあるうちに、計算力をつけてみませんか?
高校数学では、かかせない数と式の計算問題
整式の加法・減法
中学2年生で学習した、単項式、多項式、次数について復習してみましょう。
数や文字を掛け合わせてできたひとかたまりの式を単項式、いくつかの単項式の和として表される式を多項式、掛け合わされた文字の個数を次数といいました。また文字の部分が同じである項を同類項、文字を含まない項を定数項といいました。
高校数学では、扱う文字の数が増えます。ですから、ある文字に注目して整理する必要があるのです。例えば、整式を次数が低い順(降べきの順)に並べたり、次数が高い順(昇べきの順)に並べたり、文字に注目してa→b→c→aのように、繰り返されるように並べたり(輪環の順)します。整式が美しく見えるように整理するのですね。
例1 次の整式A、Bについて、A+BとA-Bを計算しなさい。
A=2x3-1-x²、B=-x2+2x-4x3+1
(1)A+B
A,Bを降べきの順に整理すると
A=2x3-x²-1、B=-4x3-x2+2x+1
よって
A+B=-2x3-2x2+2x
(2)A-B
A-B=6x3-2x-2
整式の乗法と乗法公式
中学3年生では、単項式や多項式どうしの乗法を学習しました。以下の法則と公式を確認しましょう。公式では、さらに進んだ内容まで紹介しておきます。いくつかの整式の積の形をした式において、積を計算して1つの多項式(整式)に表すことを、その式を展開するといいます。小学校のときに暗記した九九の計算とよく似た感覚で練習するとよいでしょう。暗記するのは、数字ではなく手順なのですが…。複雑な式を展開する場合には、公式を当てはめることが自然にできている必要があります。でなければ時間がかかってしまい、別の解法を試す時間がなくなります。問題を最後まで解けなかった、なんてこともあるかもしれませんね。
指数法則
1⃣ aman=am+n
2⃣ (am)n=amn
3⃣ (ab)n=anbn
乗法公式①
1⃣ (a+b)²=a²+2ab+b², (a-b)²=a²-2ab+b²
2⃣ (a+b)(a-b)=a²-b²
3⃣ (x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+ab
4⃣ (ax+b)(cx+d)=acx²+(ad+bc)x+bd
(前×前+(外側の積+内側の積)+後×後)
乗法公式②
1⃣ (a+b)(a²-ab+b²)=a³+b³ (前+後)(前²-前×後+後²)=前³+後³
2⃣ (a+b)³=a³+3a²b+3ab²+b³ 3a²b=全かけ×前、3ab²=全かけ×後
乗法公式③
(a+b+c)²=a²+b²+c²+2ab+2bc+2ca
2ab、2bc、2ca→となりどうしをかけて2倍
整式の因数分解
1つの整式を、1次以上の整式の積に表すことを、もとの式を因数分解するといいます。このとき、積を作っている各々の式を、もとの式の因数といいます。因数とは、掛け算をつくる式や数字なのです。
因数分解の手順は以下の手順でやりやすさが格段に上がります。
①最低次数の文字に注目し、降べきの順に整理する。
②共通因数があれば、くくり出す。
③公式で因数分解する。
2次式の因数分解の公式
1⃣ a²±2ab+b²=(a±b)²
2⃣ a²-b²=(a+b)(a-b)
3⃣ x²+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
4⃣newたすきがけ
acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)
a b → bc
c d → ad
ac bd ad+bc
かなりわかりずらいですが、aとd、cとbをたすきのようにかけてxの項の係数になるように、組合せを探す、といったところでしょうか…。(これができると、スッキリします。)
3次式の因数分解の公式
1⃣ a³+b³=(a+b)(a²-ab+b²) 前³+後³=(前+後)(前²-前×後+後²)
2⃣ a³+3a²b+3ab²+b³=(a+b)³ 3a²b=全かけ×前、3ab²=全かけ×後
実数とは何だ!?
実数の分類
小学校で学習する数は、整数、小数、分数があり、中学1年生では、正の数と負の数を学習しました。また正の整数を特に自然数ともいいます。整数は、自然数(正の整数)、0、負の整数に分類されます。中学3年生では、ルートを学習しました。このことで、数の世界は、さらに広がります。普段生活していて気が付かないが、確かにそこにあるものです。この数は、無理数と呼ばれる数です。これに対してそれ以前に扱っていた数を有理数と呼びます。無理数には、循環しない無限小数(ルートや円周率)が当てはまります。有理数には整数、有限小数、循環小数が当てはまりいずれも分数の形で表すことができます。これらの数を合わせて実数といいます。実数とは逆で、この世には存在しないであろう数を虚数といいますが、その話はまたの機会に。
根号を含む式の計算
実数はすべて数直線上に表すことができます。Oを原点として、その右側に正の実数、左側に負の実数を対応させます。点Pに実数aが対応しているとき、aを点Pの座標といい、座標がaである点PをP(a)で表します。大小関係は、数直線上では、左右の位置関係で表せます。
1次不等式とその解法
1次不等式
不等式とは、大小関係を表した式です。1次不等式とは、1次式の不等式ですが、方程式のように解くことができます。しかし、いくつか注意しなければならないことがあります。
大小関係の式ということは、負の数を扱うときには要注意です。
負の数では、絶対値が大きくなれば、小さくなるという性質があるからです。
例えば、
+3<+5 ですが 両辺を(-1)倍すると、 -3 > -5
というように、等式の性質にあった条件のように扱うと、ミスにつながります。
つまり、負の数をかけたり、割ったりすると、大小関係が逆転してしまう、
ということが、等式のルールとは異なるところですね。
気をつけましょう。
1次不等式を利用した問題
次のような問題があります。
このような問題では、不等式が威力を発揮します。
花子さんのチョコレートの個数をa個とおくと、クッキーの数は(30-a)個と表せます。
すると購入金額の式は、
110(30-a)+150a (円)
と表せます。
購入金額を4000円以内におさえるために、
110(30-a)+150a ≦ 4000
という不等式をつくります。
この不等式を解くと、
3300-110a+150a ≦ 4000
40a ≦ 700
a ≦ 17.5
したがって、a は、17.5個以内の個数であることがわかります。
さらに、aは、個数を表しているので、必ず0以上の整数であり、その中で、最大の整数は、17であるから、
チョコレートは最大で、17個買えます。
もし18個買ってしまうと、4000円を超えてしまいます。
実際に計算してみると、
110(30-18)+150×18
=110×12+150×18
=1320+2700
=4020
確かに、20円分、4000円を超えてしまいます。
このように大小関係を利用して、問題を解くことができますね。
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